将来(症状固定後)の治療費について


症状固定により、残存した症状は後遺障害とされ、交通事故の賠償実務においても、基本的には、症状固定後の治療費は、法的にも因果関係のある損害として認められず、また保険会社も任意に支払わないのが一般的です。

しかし、怪我、後遺障害の状況や、治療の内容によっては、将来の治療費も因果関係のある損害として裁判上認められることもあります。

自発呼吸のための治療及び呼吸訓練につき医師の指示があったとして必要かつ相当な治療と認めた判例(名古屋地判平成20.1.29)

後遺障害等級一級一号に認定された頚椎損傷による四肢麻痺の後遺障害があり、日常生活がほぼ全介助の被害者につき、症状固定の状態を維持するため今後も治療を継続する必要があるとして、平均余命の57年間月額2万円を認めた判例もあります(東京地判平成20.1.30)

また、右鎖骨骨折後の変形障害が残った被害者につき、症状固定後も右肘屈曲力の保持、右肩拘縮の予防のため、筋力トレーニングのリハビリを続ける必要があるとして、平均余命の56年間、週一回の整骨院への通院(一回あたり施術費820円)の施術費合計73万5972円を認めた判例もあります(大阪地判平成20.12.24)

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